イン・ブルーム(30首)

イン・ブルーム ✴︎ 記憶には残らないから傷痕のようにあなたを思うよ 四月 ✴︎ 花盛り いまいちばんの潮時に光り損ねたひとりとひとり こんなにもわかりあっても足りなくて去来するのは火に似た季節 目の中の光と思った それを見て恋人とする予行練習 感性が…

<神殺しの神話の果てに> 『きみの話を聞かせてくれよ』村上雅郁 評

<神殺しの神話の果てに> 『きみの話を話を聞かせてくれよ』村上雅郁 評 本評は『きみの話を聞かせてくれよ』のネタバレを含みます。 ✴︎ 「ねえ、くろノラ。きっとこれからも、私みたいな子がこの学校に来ると思うんです。クラスになじめなかったり、大切な…

エッセイは捏造される(30首)

エッセイは捏造される (30首) ✴︎ 救われないビデオゲームの光のなかへ攫ってくれよ 感傷 蛍光灯の点滅だけがこの世界で確かだ 不埒な予感 あらかじめ決められている結末に誰かはずっと怯えている ミラー 虹を見たとしても虹彩は認識しない 視聴覚室 図書準備…

prism / showcase

prism so many tears 君が許せない話の続きをしてくれた浜 僕が見た未来の姿 救世主・喜劇役者の数秒間に シェーバーで髭を剃る 笑う あなたの中で音楽が死ぬ 羽根が身体に溶けていく 換羽期に少し背中が痛む天使よ 透明感 それはひどく疎ましく喪失の後も続…

lighthouse / selfportrait / holytown / wartime / relationship

lighthouse 空に祈ったのは私で 大停電が終わるとき君はここからいなくなるだろう 砂時計 あせらなくていいから悲しい夢をずっと見せてね 湿ったハイライト イメージになってでも息継ぎができない心 ありえないくらい眩しい水面を揺らして舟は再び戦地へ あ…

preface of 2022

ZINEの刊行にあたって --- またZINEを作りました。また、と言っても3年も経ってしまいましたが。自分のペースが真っ当なものかどうかの判別はいまだにつきません。真っ当なペース、というものを考えて る時点でかなりダサいかもしれませんが。 --- 私的にも…

ZINE

8/31の自主企画にZINEを配布します。若者とは別の個人的な(というか色々な方と作り上げた)作品となります。イベント等で配布されるこういったZINEは割とバンドだったり、何か表立った表現をしている方が執筆に参加されてることが多いように感じます。僕とし…

8/31△vol.1バンド紹介②

North by Northwest https://youtu.be/0pFny6qcC6w こちらを見ていただければわかるとは思いますが、最高です。 彼らの初ライブを収めたこの映像を見て覚えた勝手な敗北感とそれを遥かに上回る、最高のバンドと出会えたという喜び。それは自分が音楽を掘ると…

8/31△vol.1バンド紹介①

sans visage一番初めに見たの2014年。年貢、never meant to be企画横浜天王町オリーブで、その頃はまだ樋口さんがギターを弾いていて4人でした。メンバーチェンジをしながらも、飽くまで激情、カオティックHCを軸にしながら、海外の先駆者達の忠実なフォロワ…